Candy Suger

 -好きだから--

 ハルカ「…」
暗い森の中、一人座り込むハルカ。実は、サトシから逃げて来たのだ。
“私はサトシを傷つけてしまった…”
その理由とは……

数時間前

ハルカ「タケシ、あのね…私…」
タケシ「サトシが好きなんだろ?」
ハルカ「えっ…、まだ何にも言ってないじゃない」
タケシ「わかるよ、それくらい…」
ハルカ「…私…サトシが大好き…。でもね、サトシにはこれって…話さないべき…?」
タケシ「俺なら言うよ、好きな人には」
告白…この事でハルカは悩んでいた。本当に告白してもいいのかと…。
それからハルカは死ぬほど悩んだ。
ハルカの静けさの理由を、マサトもタケシも知っていた。だが…サトシだけは知らなかった。
サトシ「ハルカ…?…どうした?」
サトシはハルカに話しかけた。
“暖かい…”
ハルカの側にサトシが寄ると、何故かとても暖かい…。
優しくてふんわりした感じ。とても言葉では表せない…不思議な暖かさ…。サトシ、熱あるの?って聞きたくなるくらい…すごく暖かい…。
サトシ「ハルカ、悩んでるなら相談しろよ?」
“駄目…倒れそう…”
サトシの暖かさ、サトシの優しさに、ハルカは心を打たれた。死にそうなくらい、嬉しかった。また、告白できない自分が苦しかった…。
サトシ「ハルカ…っ?」
サトシがハルカに話しかけた。
限界だ…。
ハルカはサトシを突き飛ばしてしまった。
体の鍛えられたサトシなら、転びもしないのだが、突然ハルカに何の理由もなく飛ばされたため、サトシは体を庇う間もなく、コンクリートに叩き付けられた…。
ハルカはそれを見て、どこかへ走り去った…。


森の中…
ハルカ「ここ…どこよ…」
ハルカは完全に森に迷っていた。もう深夜だ。人影などあるはずもない…。
ハルカ「サトシ…助けて…」
何故か発した言葉はこうだった。
あんな出来事の後でも、それでもハルカはサトシを愛しているのだ……。
と、そこに…!突然茂みがガサガサガサっと揺れた。
ハルカ「やだっ…」
ハルカは森の中に潜む動物だと思い、足がすくんだ。
だがそこに現れたのは…サトシだった…。
サトシはハルカの横に座った。だがそのサトシは、暖かくなかった…。
それよりか、冷たかった…。
ハルカ「サトシ…?」
サトシ「どうしたハルカ?俺に言えない事があんのか?」
ハルカ「違う…。貴方に…貴方に言いたい事」
サトシ「それって?」
ハルカ「私……サトシが大好き…!!」
その直後だ。
ハルカの周りにすごい熱気が伝わって来た。
サトシがハルカの体を覆っている。
“サ…トシ…”
ハルカはサトシの暖かさを感じた。
サトシ「寒かったろ…?森の中…」
ハルカは泣きながら頷いた。
サトシ「もう大丈夫だ…」
ハルカ「…うん…」
サトシ「俺も…お前の事好きだから…」
ハルカ「…!」
突然のサトシの言葉に驚きを隠せないハルカ。
サトシ「だから…悩んだりした時は…俺にちゃんと相談しろよ……な?」
ハルカはまた泣きながら頷いた。

その夜…わざと二人はポケモンセンターへ向かわず夜の森で一夜を明かした。
“ポケモンセンターのベッドなんかで寝るより、森の中、
サトシと肩寄席あって眠った方が…ずぅっと暖かい…”

END



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後書き
【ごめんなさい…こんな作品で…とか言いつつも投稿(笑)。いつかアニメ化してくれたらな〜と思った一作です。サトハル以上にラブラブなカップリングなんて、ぜってぇーないですよね(笑)。】