-School 1-- 「…起きなさい!ハルカ。もう7時半よ。」
「……何よ、お母さん…。学校には8時半までに行けば良いんだから…」 「何言ってるの!四葉学園は確か8時までに登校…」 「いやー!遅刻しちゃうかも!」 何処にでもある朝の風景。 …ってこんなこと語ってる場合じゃないかも!! 今日は転校初日でとても遅刻なんて出来ないよ!! 「あれ、マサトは!?」 「もう先に学校行ったわよ。はやくご飯食べなさ…」 「ママ!朝ごはんはいらないわ!行ってくる!」 そう言って私は家を飛び出した。 …けど…。 「…四葉学園って…何処?」 「……何やってるの?」 おろおろしていると誰かに声をかけられた。 同い年ぐらいの男の子、同じ制服。 何故かその男の子は私の隣の家から出てきた。 「あ!もしかして同じ学校!?」 「え?君誰?」 「私ハルカよ。ちょっと学校までの道がわからなくって…;」 「俺サトシ。学校までの道?教えてあげよっか?」 このとき、サトシってどこかで聞いた事があるかもって思った。 でも思い出せなかった。 ま、今思い出すこともないか! 「うん!お願いするかも!」 「……サートシくーん…」 「ん?どうしたんだ、ハルカ?」 「これが道っていえるの?思いっきり違うじゃない!」 私は今まで通ってきた凄い坂道や雑木林を指差して言った。 「これが一番の近道なんだよ。ほら、遅刻しちゃうぜ!」 「……こんな道覚えられないかも…;」 「…つーいた!ほら、15分で着いたじゃん!」 「ああ、早いですね。」 私はフンッとそっぽを向いた。 「怒ることないだろ!人が親切に教えてあげたのに!」 「あんな道じゃ、覚えられないし帰れないじゃないの!」 「…じゃあ、帰りも送ってってやるよ。放課後サッカー場にきて!」 そう言ってサトシ君は校舎の方へ走っていった。 サトシ君は手を振っていたが、途中でチャイムが鳴った。 そしてサトシ君はチャイムがなったと同時に校舎に飛び込んだ。 ん?チャイムが鳴った? 「転校早々、遅刻。廊下も走り職員室へ駆け込んだ生徒は初めてよ。」 「…すみませ〜ん…。」 「ま、いいけど。…あ、ここが2−A。…入ってって言うまで待っててね。」 そういうとアスカ先生(というらしい)は教室に入っていった。 …超ドキドキするぅ…これからどんなことがあるだろう? 新たな恋があったりして!きゃー!! 「…入ってください。」 先生に言われて私は教室に入っていった。 「あ、私ハルカです!これからよろしくお願いしますかも〜…」 「あー!お前は朝の!!」 そんな声が聞こえ、驚いて私はそっちをみた。 ていうかクラス全員がその声の主を見た。 声の主は既に立っていて、私のほうを指差して固まっていた。 その声の主は… 「……サトシ君…?」 |